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歯周病が口臭の原因に ?

私は東京医科歯科大学の歯周病専門外来にて、難症例を含む幅広い治療の研鑽を積み、その後は都内歯科医院にてお子さんからご高齢の方まで多くの患者様のお口の健康づくりをサポートしてまいりました。

患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせて、あらゆる治療の選択肢をご提案し、心から納得していただける治療法をお選びいただけます。神保町ミセ歯科・矯正歯科は、患者様との信頼関係を大切に築きながら、ドクター・スタッフともに一丸となって、あなたの健康を末長く支えてまいります。

「最近、口臭が気になる」「家族から口が臭いと言われた」など、口の臭いに関するお悩みはありませんか?もしかすると、それは歯周病のせいかもしれません。歯周病が進行すると、腐ったタマネギや卵、生ゴミのような悪臭が発生し、口臭が強くなることがあります。
本記事では、歯周病による口臭の特徴や原因、セルフチェック方法、改善・予防法について解説します。また、歯周病以外の口臭の原因についても紹介するので、口臭に悩む方はぜひ参考にしてください。

    歯周病の臭いはどんな臭いなの?

    口臭の原因には、にんにくなど食べ物によるものの他、歯磨き不足、胃など消化器系の問題など様々なことが考えられます。そのため、口臭がするからといって歯周病であると断定はできませんが、次のような特徴があれば、可能性は高いでしょう。

    腐ったタマネギのようなにおい

    歯周病になると、腐って溶けたタマネギのような刺激の強い臭いがすることがあります。これは「メチルメルカプタン」という毒性の強いガスが原因です。このガスは口腔内にいる細菌が食べかすなどを栄養として新陳代謝をおこなう際に発生するものです。歯ぐきの炎症や歯周ポケットの汚れがひどくなり、歯周病が進行するにつれ、臭いが強くなり、マスクをしていても気づかれることもあります。メチルメルカプタン自体が歯周病を進行させる原因にもなるため、早めのケアが大切です。

     

    腐った卵のようなにおい

    卵が腐ったような臭いの原因は「硫化水素」というガスです。口の中が健康でも、唾液が不足した乾燥状態であれば発生することもありますが、歯垢(プラーク)や舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の表面に付着する白や黄褐色の汚れからも発生します。舌苔が発生する原因は、磨き残しの他、口呼吸やストレス、加齢による口腔内の乾燥、アルコールや喫煙による口内環境の乱れが挙げられます。「メチルメルカプタン」ほど歯周病と強い関連はありませんが、歯周病の原因となる菌は存在すると判断できるため、この臭いがすれば歯周病に罹患している可能性はあるといえます。

     

    生ゴミのようなにおい

    口腔内の細菌の新陳代謝によって「ジメチルサルファイド」というガスも発生します。これは野菜や魚が腐った生ゴミのような臭いで、歯周病が進行するほど強くなります。 ただし、糖尿病や肝硬変、肝がん、尿疾患などの全身疾患が原因で生成される物質でもあり、歯周病が原因であるとは限りません。口臭に占める物質の割合としては「メチルメルカプタン」「硫化水素」で90%と大半であるため、ジメチルサルファイドの臭いは軽微にしか感じないこともあるでしょう。

    歯周病の臭いの原因

    歯周病になると口臭がするのは、歯周病菌が発生させるガスのせいです。また、歯周病が悪化し歯槽膿漏になると、細菌のさらなる増殖によって臭いがきつくなるうえ、血や膿みの悪臭も混ざり、より不快な臭いがします。

    歯周病菌が発生させるガス

    歯周病菌は食べかすや死んでしまった細胞などのタンパク質を分解し、増殖します。その際に「揮発性硫黄化合物」という成分を生成するのですが、これが口臭の元です。具体的には以下の成分が挙げられます。

    • メチルメルカプタン:腐ったタマネギの臭いがするガス。歯周病にもっとも関連する。
    • 硫化水素:腐った卵のような臭いがするガス。主に舌苔から発生する。
    • ジメチルサルファイド:生ゴミのような臭いがするガス。全身疾患によって発生することも。

    歯周病を発症すると、これらのガスが混じり合い、口から不快な臭いがするようになります。また、歯周病が進行するほど、口臭もひどくなります。

    歯周病の進行による歯槽膿漏

    歯周病になると口臭が発生するもう一つの理由が膿みです。歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」が深くなり、そこに細菌が繁殖して炎症を引き起こします。さらに悪化すると歯槽膿漏になり、メチルメルカプタンを含む膿みができます。歯周ポケットで増えた細菌が発生させるガスに、膿みによる悪臭も加わるため、口臭がより強くなってしまうのです。

    歯周病かどうかをセルフチェック!

    口臭がするかどうかは、自分ではなかなかわからないものです。「知らない間に周りの人に迷惑をかけていたら…」と不安に思う方もいるでしょう。ここでは、そんな方のために口臭のセルフチェック方法をご紹介します。

    コップや袋を使ってチェックする

    家にある、コップやビニール袋を使えば、自分で簡単に口臭をチェックできます。具体的な手順は以下のとおりです。

    1. 清潔なコップやビニール袋を用意し、その中に息を吹き込む
    2. すぐにコップはふたを、ビニール袋は口を締めて10秒程度待つ
    3. 中を開ける前に一度深呼吸をして、数秒間呼吸を止め、嗅覚をリセットする
    4. 中を開けて臭いをかいでみる

    この方法でチェックすれば、他人が感じる口臭に近い臭いを確認できます。

    口臭チェッカーを使う

    口臭チェッカーは、臭いの原因である揮発性硫黄化合物がどれくらい含まれるのかを測定できるアイテムです。数値化されることで、自分の口がどれくらい臭うのか客観的にわかります。市販のものは、歯科医院で使用されるものほど精度は高くありませんが、セルフチェックで使うなら十分です。
    使い方は簡単で、センサー部分に息を吹きかけるだけでチェックできます。ドラッグストアや家電量販店など身近なところで購入できるので、使ってみるのもよいでしょう。

    乾いた唾液のにおいをかいでチェックする

    口臭がある人は唾液の臭いも強いものです。乾いた唾液の臭いをかぐ方法でもチェックできます。特別な道具は不要なので、気になったときにすぐに試せます。具体的な手順は以下のとおりです。

    1. 手を洗って清潔にする
    2. 舌の上、または歯と歯ぐきの間を指で触る
    3. 少し待って唾液が乾いたら、臭いをかいでみる

    ただし、口臭がなくても唾液から多少の臭いがする場合もあります。唾液が臭う場合は口臭が強い可能性はありますが、必ずしもあるとはいえないため、他の方法と併せて行うほうがよいでしょう。

    細菌検査をする

    歯科医院で実施してもらえる細菌検査を受けるのもおすすめです。歯周ポケット内の歯垢や唾液を採取し、歯周病菌の種類や数を特殊な顕微鏡を使って調べてもらえます。検査結果は当日にわかり、結果がでるまでにかかる時間は5分程度です。
    ただし、歯周病や虫歯の発見を目的とするクリニックが多いことには注意が必要です。口臭の相談のために訪れても必ず実施してもらえるとは限りません。細菌検査を希望する場合は、事前にホームページで情報を確認したり、直接問い合わせたりしておくのがよいでしょう。

    歯周病の臭いの治し方、予防法

    口臭があれば、人と接する自信がなくなってしまうものです。家族や友人関係、仕事など、あらゆる側面に影響を及ぼす可能性もあります。歯周病を早急に改善するためにも次の方法を試しましょう。

    毎日の歯磨きをしっかりとする

    歯周病による口臭を防ぐには、毎日の歯磨きを丁寧に行うことが何より大切です。歯周病の原因となる歯垢は放置すると細菌が繁殖し、口臭の原因となるガスを発生させます。そのため、朝晩はもちろん、毎食後はできる限り歯を磨く習慣をつけましょう。
    また、歯磨きは、正しい方法で行うことも大切です。柔らかめの歯ブラシを使用し、小刻みに動かしながら一本ずつ丁寧に磨きましょう。さらに歯周ポケットに溜まった歯垢をしっかり落とすことも重要です。歯と歯ぐきの境目に、歯ブラシの毛先を45度の角度で当てて左右に細かく動かします。歯ぐきを傷つけないよう、力を入れすぎないように気をつけて磨いてください。

    歯間ブラシやデンタルフロスで歯垢を除去する

    歯磨きを丁寧に行っても、歯と歯の間には歯垢が残ってしまう場合があります。特に歯周ポケットの奥に入り込んだ歯垢を完全に取り除くことは難しく、口臭の原因になりかねません。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用してこれらの歯垢を取り除きましょう。

    歯間ブラシは、特に歯ぐきが下がってしまい、歯と歯の根本部分に広いすき間がある人に適します。デンタルフロスと比べると効率よく歯垢をかき出せるので、短時間でもケアできます。 一方、デンタルフロスは、歯と歯のすき間が狭い部分の汚れを取り除くのに向くアイテムです。歯と歯の間をやさしく滑らせるように通し、挟まった食べかすや歯垢を除去します。
    また、舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)も口臭の原因になります。専用の舌ブラシで定期的に優しく磨きましょう。

    定期的に歯のクリーニングを受ける

    歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、毎日歯磨きをしても、セルフケアには限界があります。歯周病による口臭の予防や改善をするには、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。歯科医院では、専用器具を使って歯石の除去や歯の表面の清掃をしてもらえます。自分ではケアできない部分を徹底的にきれいにしてもらえるので、歯周病の予防や進行抑制、口臭の改善が期待できます。定期検診と併せて受けられるので、3ヵ月に1度程度を目安に受診しましょう。

    歯周病治療を受ける

    歯周病を治療すれば、根本原因を取り除けるため、口臭の改善が期待できます。
    歯周病は進行すると歯ぐきの炎症が悪化し、歯周ポケットが深くなります。そうすると、歯垢が溜まりやすく、細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなります。さらに悪化すれば歯槽膿漏となり、口臭はよりひどいものになるでしょう。
    初期の歯周病であれば、クリーニングで炎症を抑えられますが、進行してしまった場合は、外科的処置が必要になることもあります。そうならないためにも、口臭が気になり「歯周病かな?」と思ったら、早めの歯科医院の受診をおすすめします。

    その他の口臭の原因

    口臭の原因としては、以下に紹介するように、歯周病以外にもさまざまなことが考えられます。少し注意すれば改善できるケースも多いため、普段から気を付けるようにしましょう。

    歯周病治療を受ける

    詰め物や被せ物が歯に合っていないと、わずかにできたすき間やひび割れた部分に食べかすや細菌が溜まります。そして、それらが腐敗したり増殖したりすれば悪臭が発生するようになります。
    また、最初はぴったり合っていた詰め物や被せ物でも、時間の経過や歯ぎしりや食いしばりなどの癖によって合わなくなる場合もあります。このようなトラブルにいち早く気づくには、定期的に歯科医院で詰め物や被せ物の状態をチェックしてもらうことが大切です

    お手入れが不十分な入れ歯、義歯

    入れ歯や義歯のお手入れが不十分だと、口臭の原因になります。食べかすや歯垢が入れ歯の表面や裏側に付着し、細菌が繁殖することで悪臭が発生してしまうのです。そのため、食後は毎回、入れ歯専用ブラシと洗浄剤を使って洗浄するようにしましょう。
    ただし、硬いブラシや研磨剤入りの歯磨き粉を用いるのはNGです。入れ歯の表面に傷ができ、そこに細菌が入り込んで強い口臭を引き起こす可能性があります。
    また、部分入れ歯の場合は、金具や歯と接する部分に特に汚れが溜まりやすくなります。この部分は特にしっかり洗浄しましょう。

    タバコやコーヒー

    タバコにはニコチンやタールが含まれており、これらの成分が歯や舌に付着すると、独特の臭いがします。さらに、喫煙によって唾液分泌量が減少するため、細菌が繁殖しやすい口腔環境になります。そうなると、歯周病のリスクが高まり、口臭はさらに悪化するでしょう。

    また、コーヒーを飲むと、その細かい粒子が舌の表面に付着し、独特の臭いがします。カフェインによって唾液分泌量が低下し、口腔内が乾燥しやすくなるため、細菌が増殖しやすくなり、口臭の悪化につながるでしょう。さらに、砂糖やミルクを入れると、微粒子が舌に付着しやすくなるだけでなく、口の中で分解される際に、口臭の原因である揮発性硫黄化合物が生成されます。

    口臭を防ぐには、タバコやコーヒーを控えることが理想ですが、すぐにやめられない場合は水をこまめに飲んだり、歯磨きやマウスウォッシュを使用したりして口内を清潔に保つようにしましょう。

    口呼吸をしている

    口を開けたまま呼吸をすると、口腔内が乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液には、口腔内の細菌を洗い流し、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物の発生を抑える働きがあります。そのため、口呼吸が癖になり、口の中の乾燥状態が続くと、細菌が繁殖しやすく、口臭が悪化する原因になってしまうのです。
    口呼吸の原因はさまざまで、風邪やアレルギー性鼻炎などによる一時的なものである場合もあれば、歯並びやかみ合わせなど、根本的な治療が必要な症状が原因の場合もあります。すぐにできる改善方法としては、鼻呼吸をするよう意識したり、ドラッグストアなどで販売している紙テープを使用したりする方法が挙げられます。

    歯垢や歯石が溜まっている

    磨き残しによって歯に付着した歯垢が長期間の放置によって石灰化したものが歯石です。歯石ができると、そのざらざらした表面に歯垢や細菌がより付着しやすく、溜まりやすくなります。それでも放置を続けると、やがて歯垢が発酵し悪臭を放つようになります。歯周病になる可能性が高まるだけでなく、進行して歯槽膿漏になれば、膿みによってさらに悪臭が強まるでしょう。

    まとめ

    歯周病による口臭は、特有の強い悪臭を放ち、進行するほど悪化します。その主な原因は、歯周病菌が発生させるガスや、歯周病が悪化して起こる歯槽膿漏による膿みの臭いです。 口臭を改善するには、正しい方法でお口の中をケアする必要があります。毎日の歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを活用し、口腔内をできる限り清潔な状態に保ちましょう。

    ただし、セルフケアには限界があるため、歯科医院で定期的なクリーニングを受けることをおすすめします。歯周病になっている場合は、進行を防げますし、悪化している場合は適切な治療によって確実に改善できます。
    口臭が気になる方は、早めに歯科医院で診察を受け、適切な治療を受けましょう。

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    日付:   カテゴリ:歯周病