私は東京科学大学(旧東京医科歯科大学)の歯周病専門外来にて、難症例を含む幅広い治療の研鑽を積み、その後は都内歯科医院にてお子さんからご高齢の方まで多くの患者様のお口の健康づくりをサポートしてまいりました。
患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせて、あらゆる治療の選択肢をご提案し、心から納得していただける治療法をお選びいただけます。 神保町ミセ歯科・矯正歯科は、患者様との信頼関係を大切に築きながら、ドクター・スタッフともに一丸となって、あなたの健康を末長く支えてまいります。
歯周外科治療
当院の歯周外科治療について

重度の歯周病や歯茎の問題に対して、当院では最新のレーザー技術を併用した精密な歯周外科治療を行っています。失われた歯周組織の再生から審美的な歯茎の改善まで、患者様一人ひとりの状態に最適な治療法をご提案いたします。
レーザーを用いた歯周外科治療

当院では、歯周外科治療においてエルビウムヤグレーザー(Er:YAG)を使用しています。このレーザーは、歯科治療において最も安全性が高く、痛みの少ない治療を実現する最先端の医療機器です。従来の外科治療と比較して、患者様により快適で効果的な治療をご提供できます。
レーザー治療の7つの大きなメリット
痛みの大幅な軽減
エルビウムヤグレーザーは生体組織の水分に対する反応が高く、発熱が少ないため、周囲の組織への影響がほとんどありません。照射した組織の表面にのみ作用するため、従来の治療法と比較して痛みが大幅に軽減されます。多くの患者様から「思っていたより全然痛くなかった」というお声をいただいております。
安全性の高い低侵襲治療
レーザー光は照射した部位にピンポイントで作用し、周囲組織への熱作用を最小限に抑えます。そのため、健康な組織を傷つけることなく、問題のある組織のみを精密に除去することができます。組織の熱変性も少ないため、より安全で確実な治療が可能です。
治癒期間の短縮
レーザー照射により血液の凝固が促進され、創傷治癒が早まります。通常の外科治療では1-2週間要する治癒期間が、レーザー治療では数日から1週間程度に短縮されることが多く、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
出血を大幅に軽減
レーザーの熱凝固作用により、術中の出血量を約80%軽減することができます。出血が少ないため術野が明瞭になり、より精密で安全な手術が可能となります。また、術後の腫れも大幅に軽減されます。
優れた殺菌効果
レーザー照射には強力な殺菌効果があり、治療部位の細菌を効果的に除去します。これにより感染リスクが大幅に低下し、治療後の合併症を予防することができます。抗生物質の使用量も最小限に抑えることが可能です。
不快感のない治療環境
従来の治療器具とは異なり、レーザー治療は無音・無振動です。「キーン」という不快な音や振動がないため、治療に対する恐怖心や不安感を大幅に軽減できます。リラックスした状態で治療を受けていただけます。
多様な症状に対応
一台のレーザー機器で、歯周ポケット治療から歯肉整形、組織再生療法まで幅広い治療に対応可能です。出力を細かく調整することで、患者様の症状に最適化された治療を提供できます。
従来の治療との比較
従来の治療
痛み | 中程度~強い |
---|---|
出血量 | 多量 |
治療期間 | 1-2週間 |
腫れ | 中程度~強い |
感染リスク | 通常レベル |
レーザー治療
痛み | 大幅に軽減 |
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出血量 | 軽減 |
治療期間 | 3-7日 |
腫れ | 軽微 |
感染リスク | 大幅に軽減 |
歯周外科治療の方法と概要

歯周組織再生療法
治療概要
歯周組織再生療法は、重度の歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を人工的に再生させる治療法です。エムドゲインゲルやリグロス(FGF-2)、人工骨や他家骨などの最新技術を用いることで、本来であれば抜歯が必要とされるような重篤な症例でも歯を保存できる可能性が大幅に向上します。
当院では、これらの再生治療にレーザーを併用することで、治癒促進効果をさらに高め、より確実で快適な治療を実現しています。
治療の流れ
まず詳細な歯周組織検査とCT撮影による精密診断を行い、再生可能性を慎重に評価します。その後、歯石除去やルートプレーニングなどの歯周基本治療を実施し、歯肉の炎症を十分に改善させてから外科処置に移ります。
手術では、感染組織の徹底的な除去後にレーザーを併用して創面を整え、エムドゲインゲルや骨補填材を適切に填入します。術後は定期的な経過観察により、新生組織の状態を継続的に管理していきます。
中程度から重度の歯周病または歯槽骨が失われた部位で、
❶垂直性骨吸収(垂直性骨欠損)
• 1壁性~3壁性欠損(*3壁性が最も効果的、骨がある程度囲まれている部位ほど再生しやすい)
❷根分岐部病変のクラス2
などの方に特に効果的な治療法です。従来の治療では改善が困難とされていた症例でも、組織再生により歯の延命が期待できます。
遊離歯肉移植術(FGG)
治療概要
遊離歯肉移植術(FGG:Free Gingival Graft)は、歯茎が下がって歯根が露出してしまった部位に対して、口蓋(上顎の内側)から健康な角化歯肉を採取し移植する治療法です。
移植された歯肉は生着することで、歯根面を確実に被覆し、歯茎の厚みと幅を増加させます。当院では、レーザーを用いることで従来法と比較して出血量を大幅に抑制し、より精密な切開と採取を可能にしています。これにより、移植片の生着率向上と術後の快適性を同時に実現しています。
適応症例
加齢や歯周病、不適切なブラッシングなどが原因で歯茎が退縮し、歯根が露出している方に適用されます。
特に歯根露出による知覚過敏でお困りの方、歯茎のラインが不揃いで審美性が気になる方、矯正治療後に歯茎の退縮が生じた方などに効果的です。また、インプラント周囲の角化歯肉が不足している場合にも応用されます。
従来のメスによる切開と比較して、レーザー使用により術中の出血量を約80%軽減することができます。また、レーザーの熱凝固作用により止血効果が高く、術野が明瞭になることで、より精密で安全な手術が可能となります。
さらに、組織の熱変性を最小限に抑制することで、術後の腫れや痛みが大幅に軽減され、治癒期間も短縮されます。
結合組織移植術(CTG)
治療概要
結合組織移植術(CTG:Connective Tissue Graft)は、FGGよりもさらに審美性を重視した歯肉移植術です。口蓋の粘膜下にある結合組織のみを採取して移植することで、周囲の歯茎と色調や質感が自然に調和した仕上がりを実現します。
移植部位では、既存の歯肉で結合組織を覆うため、移植した組織が直接露出することなく、より自然な外観を獲得できます。
FGGとの違い
FGGが歯肉全層を移植するのに対し、CTGは結合組織のみを移植するため、採取部である口蓋の創傷治癒が格段に早く、術後の不快感も軽微です。
また、移植部においても既存の歯肉で覆われるため、色調の違和感がなく、より自然な歯茎のラインを形成できます。特に前歯部など審美領域での治療において、その優位性が顕著に現れます。
治療効果
歯根露出の改善により知覚過敏症状が軽減されるとともに、歯茎のボリュームが増加することで若々しい口元を取り戻すことができます。
また、左右の歯茎の高さや厚みが均一になることで、自然で美しい歯肉ラインが形成され、笑顔の印象が大幅に向上します。治療後は歯根面の清掃性も改善されるため、歯周病の予防効果も期待できます。
歯冠長延長術
治療概要
歯冠長延長術は、歯茎に隠れている歯質を露出させることで、歯の見える部分(歯冠)を長くする治療法です。歯茎の位置を適切に調整し、必要に応じて歯槽骨の形態修正も行います。これにより、機能的な改善と審美性の向上を同時に実現できます。
適応症例
笑った時に歯茎が過度に見えるガミースマイルの改善、虫歯が歯茎の下まで進行した際の治療前処置、補綴物(クラウンやブリッジ)装着前の歯質確保、歯の萌出不全による機能障害の改善などに適用されます。
また、左右の歯の長さが不揃いで審美性に問題がある場合や、矯正治療後の歯肉ラインの調整にも効果的です。
Er:YAGレーザーを使用することで、従来法では困難であった非常に精密な切開が可能となります。レーザー光の熱作用により血管が瞬時に凝固されるため、術中の出血が大幅に軽減され、明瞭な術野で安全な処置が行えます。
また、レーザーの生体刺激効果により組織の治癒が促進され、術後の腫れや痛みも従来法と比較して大幅に軽減されます。さらに、レーザーの殺菌効果により感染リスクも低下し、より安全で快適な治療を提供できます。